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近凶…もとい近況

 投稿者:永盛綾子  2001年08月30日 00時16分

7月から見たくてしょうがなかった「千と千尋の神隠し」を見てきました。
「え?」と思う人がたくさんいるのもわかるけど、個人的にはとても良かったです。
(スタッフロールの途中で席を立つ人があまりいなかったのは、みんな「この後に何かプラスアルファの展開があるはず!」と思って見てたせいに違いない。笑)

「投げっぱなしな伏線的要素が多いのが気になる」という評をよく聞くようですが。
私にはあれは、カタルシスのあるヒロイックな(しかしありがちな印象の)物語としてまとまってしまう事を避けるため、あえて監督が物語の輪を閉じないまま終わらせたのではないかという気がしました。
数々の思わせぶりな要素が物語の中で実際に重要な役割を演じていたら、果たしてあの映画がさらに良くなっていたのか?というと、そんな事はないんじゃないかなあと。
定番化された既成の物語や言葉でなく、いまの子供達へと語りかける「自分の言葉」を見つけようとする宮崎氏の模索が、スクリーンから伝わってくるように感じられました(的外れな印象かも知れないですが)。
現在子供である人がこの映画を見て今は「?」と思っていて、そのあと何年もかけて物語の内容について「ああそうか」とだんだん納得していくような…
そういう見られ方がふさわしい映画なのではないかと思います。

そしてやっぱり「名前が重要な意味を持つ世界」というのはいいですねえ。そういえば原作版ナウシカでも、ナウシカが巨神兵に名前をあげるシーンがすごく好きでした。
ところで不思議の町の入口にある「めめ屋」が妙に気になりますが、あれはやっぱり「ねじ式」へのオマージュなのかな(笑)。
湯婆婆がドーラ、釜じいがタイガーモス号の技師のおっちゃんそのまんまなのもご愛敬。というか、宮崎駿氏の描くメカニック系のキャラは普遍的にああいう顔なのだな。

あと、近頃いまさらながら手塚治虫のマンガにはまりつつあります(なんだかんだ言って「メトロポリス」の影響かも)。
「火の鳥」と「ブラックジャック」の文庫版集め中。やはりブラックジャックはかっこええ…。


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