人間失格通信 |
壱號 見知らぬ自画像
TRA.が発行しているGURPS妖魔夜行のリプレイ本、「人間失格通信」壱號 見知らぬ自画像の冒頭部分です。
チョロ | じゃあ始めちゃえ。 |
---|---|
GM | ゲーム内日付は11月26日の火曜日であります。時刻はすでに午後6時。なんと恭哉はその夜締め切りの仕事を抱えていて… |
恭哉 | (エヴァ○ゲリオンのアンソロジーを読んでいる) |
GM | …で、現実逃避して本を読んでいます(笑) |
緋縅 | ふっ、愚かね。 |
恭哉 | (本を置いて)なんか、知ってる人しか描いてないや。 |
緋縅 | などと言いつつ仕方なく仕事に戻る恭哉。 |
恭哉 | 締切なんてゴム紐のようにまだまだ先に延びるものさ。 |
緋縅 | と、ずいぶん前から言ってる気がするわ。 |
恭哉 | 6時といえば、夕ご飯ターイム! |
緋縅 | 恭哉、油揚げの味噌汁なんか作ってないで仕事をしなさい! |
恭哉 | というわけで、僕は原稿を描いているんですね。きっと「真の締切」はもっと先に設定されているに違いない。それにさえ間に合えば大丈夫。 |
緋縅 | 甘いわ恭哉、それは危険な発想というものよ。 |
恭哉 | (GMに)で、いつまで描いていればいいんですか? |
緋縅 | 仕上がるまでに決まってるじゃない。 |
GM | ダイス振りたかったら振ってみていいよ。 |
恭哉 | はーい。(3Dを振る)7です。絵画技能14だから、マイナス7成功(一同笑) |
GM | 3秒で描き終わりました(笑) |
緋縅 | ダイス目と同じ枚数だけ白い原稿が残ってるのかと思った。 |
GM | まあ、いくら何でも3秒は嘘だけど… |
恭哉 | なかなか素晴らしい原稿が上がったんですね。時間は何時になった? |
GM | 7時くらいかな。で、恭哉は散歩がてら出版社まで届けに出掛ける訳であります。 |
恭哉 | おおすごい。一時間前までまっ白だった原稿が、なぜかみんな仕上がっている。おかしいな(笑) |
チョロ | 小人さんが助けてくれたんだ。 |
緋縅 | きっとあの白い原稿は集団幻覚だったのよ。 |
恭哉 | では恭哉は出かけます。出版社はどこにあるんですか? |
GM | お茶ノ水のあたりにしておこう。 |
緋縅 | もしかしてあの完成原稿の方が幻なのかも知れないわ、と思いつつ見送りましょう。 |
GM | ここまでで恭哉の話は一旦中断。てなわけで、いつの間にか夜が明けました。起きてきた緋縅はとうぜん気付く…恭哉が帰ってこない。 |
緋縅 | …それは困ったわ。恭哉の奴、いったいどこで何をしているの?この私の朝ご飯を差し置いてっ! |
恭哉 | お茶ノ水のお堀に浮いてたりして。 |
緋縅 | ああ、そうかも。恭哉ったら浮くの好きだから(←嘘) |
GM& 刹矢 | 浮かねー浮かねー。石だから沈むって(笑) |
緋縅 | うーむ、どうしたものかしら。案その壱・堀に沈んでいる。案その弐・女の所にしけ込んでいる。 |
恭哉 | 案その参・原稿の描き直しをさせられている(笑) |
緋縅 | とりあえず、私は綺譚社の電話番号って知ってるのかしら? |
GM | そのへんのメモに書いてあるんじゃないかな。 |
緋縅 | 恭哉の机をかきまわしてメモを出して、電話をかけます。 |
GM | ちょっと待て、時間は朝の8時くらいだぞ。誰かいるのか? |
緋縅 | あれだけバケモノが集まってるんだから、誰か一人くらいはいるんじゃないかと思って電話してるんだけど。 |
チョロ | (横合いからいきなり)はいもしもし。 |
GM | チョロQが出たのか!(笑) |
チョロ | そう、この子は昼夜逆転。夕方に出社して朝になると帰る。 |
GM | で、留守番電話がセットしてあるのに勝手に電話に出ちゃうんだな…という事で、電話にチョロが出ました。 |
緋縅 | あらチョロQね。おはよう。 |
チョロ | おはようございます、その声は緋縅さんですね。何かご用ですか? |
緋縅 | うちの恭哉がそっちに行ってない? |
チョロ | いえ昨日は来てないみたいです。(GMに)来てないよね。(GM肯く) |
緋縅 | ああそうなの。まったくあいつったら、私の朝ご飯をほっといてどこ行ってるのかしら。 |
チョロ | そりゃもう、他の女の所に…(笑) |
緋縅 | あ、チョロもそう思う?(笑)やっぱりいじめすぎたかしら。まあいいわ、どうもありがとう、と言って電話を切ります。 |
GM | ところで、もしかして恭哉の作る朝ご飯って油揚げづくし? |
恭哉 | 得意料理はフライド油揚げ(一同爆笑) |
緋縅 | 次、恭哉が出かけて行った出版社の電話番号はわからない? |
GM | うーん…じゃあ知力マイナス5で判定してみて。 |
緋縅 | (ダイスを振る)目が9で知力14だから、同値で成功。 |
GM | その辺をあさってると、恭哉が昨日「○○に行かなくちゃー!」とわめいていた出版社の本が見つかりました。奥付にはちゃんと社の電話番号が書いてある。 |
緋縅 | 良心的な会社だわ、と思いつつ電話をかけます。 |
GM | 繋がりました。「はい、○○社です」 |
緋縅 | あら、この社もまだ8時なのに人がいるのね。 |
GM | 営業部じゃなくて編集部に繋がったからね。 |
緋縅 | で、事情を説明して…恭哉の事を聞いてみます。 |
GM | 「ああ、あの人なら原稿を締切ぎりぎりに持ってきてくれましたけど、すぐ帰りましたよ」 |
恭哉 | えぇっ!? |
GM | 本人が驚いてる(笑) |
緋縅 | …あら?その後どこかに行くとか言ってませんでしたか? |
GM | 「いえ、特には。疲れてるんだかハイになってるんだかよくわからないような様子でしたけど」 |
緋縅 | これはいよいよ女の所ね。 |
恭哉 | ところで、緋縅がしゃべってる声は小学生の声なんだよね?(笑)恭哉との関係を詮索されると困るんだけど。 |
緋縅 | 「親戚なんですー♪」とか言い訳しておいて、あまり怪しまれないうちに電話を切ります。 |
恭哉 | 次は声帯模写の技能を取らないとね(笑) |
緋縅 | しかし、これは困った。恭哉はいずこ…と思いながら、とりあえずパンを出して焼き始めます。 |
恭哉& 駒麗 | 自分でできるなら始めからそうせんかい! |
緋縅 | だって怠惰なんですもの(←威張るな) |
チョロ | 綺譚社に人が来始めたら、チョロは家に帰ります。 |
GM | そろそろ編集の人が出社してくる頃だからいいよ。 |
緋縅 | さて、パンをかじりながらテレビをつける。お堀から謎の石狐を発見、なんてニュースはないかと思いつつ。まさか姉貴の所っていう説はないわよね。(※恭哉には同じく狐妖怪である姉がいる) |
恭哉 | お姉さんは引っ越し魔なので、僕は住所を知らないんです。 |
GM | ここで、とりあえず話が刹矢に移ります。時間は9時になったとこ。 |
---|---|
刹矢 | じゃあ、メシも食い終わって境内の掃除をして…落ち葉を集めて片づけてから竹箒を物置に戻しに行く。 |
GM | すると、住職のおやっさんから「おーい、ちょっと来い」と声がかかるよ。 |
刹矢 | (片手片膝ついて)…へいっ! |
GM | 「一つ頼みたい事があるんだが」と言って、すさっと取り出したるは一つの古〜い壺。 |
緋縅 | 中身は梅干し(笑) |
駒麗 | クシャミをすると中から大魔王が… |
緋縅 | で、おまけにもれなく使い魔が一匹ついてくる。 |
GM | てめえら〜!(笑)…えーと、おやっさんは「この壺について少し調べてくれ」と言ってきます。普通に見る限りは普通の壺に見える。 |
刹矢 | じゃあ、普通じゃなく見る。オーラ感知。 |
GM | もう無色透明無味無臭って感じですねー。ただ、普通の壺よりも存在が希薄な感じがする。 |
緋縅 | 何だそりゃ。 |
GM | 「こいつに何かが封じこめられていたらしいんだが、今は壺しかないのだ。だから、もしかするとそいつがどこかで何か悪さをしているという事も有り得るな。二日くらい前に手に入ったんだ」 |
刹矢 | またかい、この新し物好きのおやっさんは(笑)ちょっと怪しい物があるとすぐ手を出したがるんだから。 |
緋縅 | 実は住職のくせに壺や印鑑を集めるのが趣味とか。 |
恭哉 | そして檀家に売りつける。 |
緋縅 | それなら定番はやっぱり多宝塔戦車よね。 |
刹矢 | (爆笑)これ一発で悪運も吹っ飛ぶ! |
緋縅 | まさに名付けて悪役一号(※それは多砲塔…) |
刹矢 | さて、では「わかりやした」と壺を受け取る。で、厳重に壺をくるんでからバイクの後ろに結わえつけて、綺譚社に行こう。 |
GM | そうそう、元々は蓋があったらしいんだけど、今はなくなってるね。 |
恭哉 | それなら蓋も一緒に見つけなきゃ。 |
綺譚社にいたのは…朝食を終え鳥の姿で遊びに来た緋縅、ならびに社で怪しい本(ナコト写本?アリストテレスの喜劇論?やっぱり根暗ノ未婚?)を読むのが好きという駒麗。チョロはさきほど退社。恭哉に到っては失踪中(笑) | |
GM | 時刻は11時くらい。壺を持って社に現れた怪しい男が一人。 |
緋縅 | 押し売りならお断りよ。 |
刹矢 | 誰が貴様なんぞに売るか!とりあえずアテが無いから、社長に鑑定を頼もう。おーい、社長ー! |
GM | 「何だ何だ」と言いつつ社長が来る。 |
刹矢 | (壺を置くふり)どん。これ調べてくれ。 |
GM | 「その辺の本ででも調べてみい。わしはこれから接客じゃ」 |
刹矢 | じゃあこの二人(駒麗&緋縅)の目の前に壺を置いて…かくかくしかじか、こういうワケ。 |
駒麗 | はい。あたしは「研究」の技能を持ってるので、社にあるご本を調べましょう(ダイスを振る)マイナス2成功。 |
GM | 2じゃ大した事はわかりませんね。封印に使う壺の中に、こういう形のがあるんだって事くらいしか。 |
緋縅 | 何なのこれ?と言いながらオーラ感知してみるけど、刹矢が見た時と同じよね。 |
GM | ちなみに…今日だったら出血大サービスで、NPCの水晶球の妖怪が社にいるよ。 |
緋縅 | たしか名前は晶くんでしたっけ。 |
恭哉 | CP1消費しないと鑑定してもらえない? |
GM | 消費しなくていいよ。「いる」てわざわざ言ってるのにCPが必要だったら、それこそ押し売りや。 |
緋縅 | 晶、面白い物があるからちょっとこっちにいらっしゃーい! |
GM | 晶くんは壺を見て「ほーう、これはすっげー珍しい物だなあ」と言ってます。妖術によって存在が歪められてる…と言うとSF的だけど…「何らかの変な仕掛けがしてあって、感知の術が効かないな」 |
刹矢 | ? |
GM | 「だから、最初壺を見た時には何も存在を感じなかったんだけど…目で見ると壺が存在してるから驚いたんだ」 |
刹矢 | ルール的に言うとオーラ隠蔽がかかってるわけか。 |
GM | オーラだけじゃなくて、感知系の術にもまったくひっかからないんだよ。だから「来歴感知」とかも駄目。 |
緋縅 | 晶にも見えない物があるのね。だけど「調べてくれ」て言ったって、そもそも住職はどこから入手したの? |
刹矢 | 壺の出所なら聞いてないよ。 |
緋縅 | …なんで聞いてこないの? |
刹矢 | 聞く必要もないし。このキャラは住職に従ってりゃいい訳だから。 |
GM | 聞いてもどうせはぐらかされるし。 |
駒麗 | うーむ…困ったわねえ。水でも入れてみていい? |
刹矢 | やめんかー! |
駒麗 | 消えたりしてない?お酒に変わったりしてない? |
GM | うん、まったくそのまんま。ちゃんと入りましたよ。 |
刹矢 | (壷をひったくるふり)手荒に扱うんじゃねえっ。 |
緋縅 | この壺、入手した時から蓋はなかったの? |
刹矢 | 俺が住職から渡された時点で既に無かった。 |
緋縅 | いや、住職が入手した時の話よ。 |
刹矢 | (きっぱり)聞いてない。 |
緋縅 | 聞きなさいよーっ!(笑)なんて無茶苦茶な。 |
GM | 住職はそういう事については、あんまり詳しい事は話さないのだ。 |
緋縅 | だけどそんな初歩的な事も教えてくれないんじゃどうしようもないわ。 |
駒麗 | いっそ花瓶にしましょうか。とりあえず花を生けておいていい? |
チョロ | …あんまりみんなが暇そうにしてるなら、夕方頃チョロが社に出掛けて「状態感知」してあげてもいいのですが。恭哉さんの手掛かりが見つかるかも知れませんよ。 |
緋縅 | そうよ恭哉は一体どこに行ったのよ。そもそも恭哉がいないから私はする事がなくて、こんな所で油を売ってるんじゃないの。 |
GM | そうだねえ、ではそろそろ恭哉君に振ってみましょう。 |
恭哉 | えーと、恭哉はどこにいるんでしょうか? |
緋縅 | さあ恭哉、今いずこ。 |
刹矢 | ふと気がつくと、暗い部屋の中で丸い台に縛りつけられていて…(笑) |
恭哉 | で、上には手術用の電灯がついていて… |
刹矢 | 「これよりライダー一号の改造を行う!」 |
恭哉 | やめろぉ○ョッカー!俺は妖怪だー!(一同爆笑) |
緋縅 | まあ、それはいいとして。 |
GM | 恭哉は目を覚ました。回りを見ると見知らぬ部屋の中だ。ごく普通の住宅の一室っていう感じ。 |
恭哉 | えぇ!?他に誰かいるの? |
GM | その部屋にはいないけど、隣の部屋あたりに人のいる気配がする。 |
恭哉 | とりあえず起きてみよう。 |
緋縅 | 具体的にどんな部屋?…て、この場にいない人間が聞くべきじゃないかしら。 |
恭哉 | 洋風と和風、どっち? |
GM | 洋風。お望み通り、女性の部屋らしい。 |
一同 | やっぱりー! |
恭哉 | あれー?(笑) |
緋縅 | ふっ、恭哉も隅に置けないわね。 |
駒麗 | いわゆる高級マンションの一室だったりして… |
緋縅 | で、帰ろうとすると法外な代金を請求される(笑) |
恭哉 | それはやばいなあ。とりあえず、五体満足ですか? |
GM | うん、怪我とかはしてない。 |
刹矢 | その前にまず…服をちゃんと着てるのかどうか聞くべきだな(一同笑) |
チョロ | なんか、今回はみんなノリが変だぞ(苦笑) |
恭哉 | さて、隣の部屋への扉を開けてみると! |
GM | ダイニングです。あ、ちなみに扉じゃなくて、ドアなしでつながっているような造りになっている。そしてそこにはぜんぜん見知らぬ女性が一人。 |
恭哉 | ……。 |
緋縅 | さあどうする恭哉!(笑) |
恭哉 | 向こうは私を見て、何か反応は? |
GM | 「あ、目を覚ましたんですね」と。 |
恭哉 | ……!? |
緋縅 | 恭哉、ここの行動で君の残りの人生が決まるぞ!(笑) |
恭哉 | えーと…ここはどこでしょう? |
GM | 「私の家です」って、それしか言いようないやん。 |
恭哉 | なんで…ここに…いるのかなあ?(笑) |
GM | そこで君はハッと気付く。「僕、誰だっけ?」 |
一同、しばし沈黙。 | |
GM | お約束のパターンですね〜。 |
一同 | うわー! |
…と 言う訳でこの続きは本誌でどうぞ。 |
<BACK |
妖魔TOP |
玄関口 |
SiteMap |
通販案内 |