人間失格通信 |
弐壱號 夜歩く者達
TRA.が発行しているGURPS妖魔夜行のリプレイ本、「人間失格通信」弐壱號 夜歩く者達 の冒頭部分です。
GM | それでは始めましょう。えーと、現在のゲーム内時刻は夕方です。 |
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緋縅 | 季節はいつごろ? |
GM | ちょうど今くらいという事にしておきましょう(※このプレイは10月25日に行ったものです) |
緋縅 | 妖魔のセッションやる時って、ソードワールドと違っていつもゲーム内季節は現実のプレイ当日と一緒にされるのよね。だから春の次にいきなり冬が来て、その次は夏とかいうことになってるの。彼らのタイムテーブルっていったいどうなってるのかしら。 |
GM | つまり一年に数回しか活動してない。 |
緋縅 | でもいいのよ、別に妖怪は年とるわけじゃないから。 |
刹矢 | そのとおり。(白澄に)困るのは君だけだよ。 |
緋縅 | あなたはそのままでも彼女はどんどん老けていくわ。ここはいっそ人間なんか捨てて、妖怪女に乗換えなさいな。 |
刹矢 | その前に、白澄が彼女に捨てられると見た。 |
緋縅 | 彼女の方を妖怪化するという手もあるわ。 |
白澄 | いいねえ。 |
GM | でも白澄が持ってる「核」を彼女に移植したら、本人は死んじゃうんでしょ? |
緋縅 | そこはそれ。誰か「核」を持ってる妖怪をもう一匹連れてきて、そっちを移植すれば…ね。 |
GM | 元の「核」を持ってた奴の運命は?(笑) |
緋縅 | それはまあ、科学に犠牲はつきものってことよ。 |
チョロ | これが生体間核移植というやつですね。 |
一同爆笑…は、さておき。 | |
チョロ | ゲームが始まらないぞー。 |
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刹矢 | まあそんなわけで…現在の場所は? |
GM | いつもの通りの綺譚社です。夕方だから、チョロや刹矢も顔を出してきている。緋縅はぼちぼち帰ろうかなと思い始めてる時刻だ。白澄も、今の所は事務所の仕事が暇なので、綺譚社でごろごろしています。 |
白澄 | 冷たいお茶でもずずっと飲んでいましょう。 |
緋縅 | あなたが傍に来ると寒いから近寄らないで。 |
GM | 刹矢はどうしてるの?バイク便の仕事? |
刹矢 | …が、今ひとつ入ってこないので…しょうがないから綺譚社の冷蔵庫の前に入りびたってる。 |
緋縅 | まったくどいつもこいつも。もう、あなたたち全員まとめて傍来ないでよって感じ(笑) |
チョロ | あー刹矢のお兄ちゃん、チョロがしまっといたプリン食べちゃだめ。 |
GM | 大丈夫、刹矢はケースごと食べちゃうから証拠は何も残らない。 |
白澄 | 最終的には冷蔵庫ごと食ってるんじゃないの?(一同笑) |
緋縅 | (白澄に視線をやりつつ)平気よ、冷蔵庫くらいなくても代わりがいるもの。私たち、前のシナリオからこうやって数カ月うだうだしていたわけね。 |
GM | そうやって皆さんがうだうだしてる所へ、社長がやってきました。「お前たち、暇そうにしてるな」 |
緋縅 | そりゃもう、見ての通りよ。いつものことだけど。 |
GM | 「それじゃあ溜まった仕事を片づけてくれ」 |
チョロ | 溜まってたの? |
緋縅 | (他一同に向かって)仕事が溜まってたというのに、あなたたち数カ月も何をやっていたの!? |
GM | というわけで、社長が段ボール箱をどーんと目の前に運んできました。中には、読者から投稿された手紙が山積みになっています。 |
音羽 | 何ですかな、これは? |
GM | 内容は「私の体験した怖い話」みたいなものの投稿版だと思ってくれればいいです。 |
緋縅 | 「恐怖、私は見た!深夜の台所で冷蔵庫を食べる謎の大男!」(一同爆笑) |
GM | とまあ、そういう内容の手紙がばさばさ段ボールに入っています。その中から明らかに使えないやつと、いくらか使えそうなやつを選別してください。というわけ。 |
緋縅 | さあみんな仕事をしなさい。…こういう時って私、「仕事しろ」とか言ってるだけで自分は働かなくていいからすっごく楽▽ |
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GM | あんたもやるんだよ。 |
チョロ | お姉ちゃん、ずるいぞ。 |
緋縅 | だって私、鳥だもん。社員じゃないし。もう寝る時間なの、おやすみなさい。ぐう。 |
チョロ | そんなあー。 |
白澄 | 顔に落書きしちゃえ。 |
緋縅 | がるー! |
白澄 | 「がるー」って、あんた何者や!(笑) |
緋縅 | こう見えてもいちおう龍の眷族なんだけど。 |
GM | ちなみにバイト代も出る。 |
刹矢 | 俺としては現物支給の方が嬉しいんだが。 |
GM | (投げやりに)ああ、ならそこの冷蔵庫食ってっていいよ。(一同爆笑) |
緋縅 | ほらみんな、バイト代も出ることだし働きなさいな。数カ月怠けていたんでしょう。 |
音羽 | 仕方がありませんねえ。(箱の中をかきまわすふり)この分厚いの、封筒爆弾じゃないでしょうね? |
緋縅 | あらそんなの、刹矢の口開けてその中に放り込んでおけばたとえ爆弾でも大丈夫よ。 |
刹矢 | ごくっと呑み込んで…腹の中でボフっとか音がした後、耳と鼻からしゅーっと煙が出てくるというパターンだな。 |
緋縅 | こういうのを「何とかとハサミは使いよう」と言うのね。さて皆さん、何か変わった投書を見つけた人はいるかしら? |
GM | はい、知力でロールしてください(一同ダイスを振る。ただし緋縅は振ってない)…みんななかなか高いですねえ。ん、チョロはプラス1失敗?じゃあ君は「UFOに拉致されて頭に金属片を埋め込まれた」とかいう投書を見つけて、これは絶対真実に違いないという確信を得てしまった(笑) |
チョロ | こんなもの見つけましたよー、とそのへんを走り回っている。 |
GM | その他の、マイナス5とか6とかで成功した方々。 |
白澄& 音羽 | はい。 |
GM | 箱ごと投げて、一番遠くまで飛んだやつが真実(一同笑)とかいう事をやってると… |
緋縅 | やってるの、そんな事? |
チョロ | やってるんだよ、きっと。 |
GM | どうも、最近の手紙の傾向として…病院関係のネタと、あと幽霊関係のネタが多い。今まで多かった「学校の怪談」とかそういうのがここのところ極端に少ない感じだ。 |
緋縅 | もうブームが終わっただけかも。 |
チョロ | 怪談より学校の現実の方が恐ろしくなってきたのかも知れない。 |
白澄 | それ言えてる。課題は幽霊より怖い。 |
緋縅 | 「恐怖!私は見た!深夜の宿直室で冷蔵庫を食べる謎の大男!」(一同笑) |
刹矢 | 冷蔵庫から離れろ! |
GM | 気になるのは…投書の内容の目撃証言が、ちょうど地区的にこの近辺の大塚あたりに集中しているようだ。 |
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緋縅 | 病院と幽霊関係が多いっていうけど、具体的にはどういう内容なの? |
GM | えーと例えば…看護婦さんからの投書で、「夜の廊下でふとすれ違った人が、後からふと気付いてみればその前日に亡くなった人じゃないかしら」とか。そういうやつ。 |
緋縅 | 「ナーバスブレイクダウン」にそういう感じの話があったわね。殺されたと思っていたお父さんが実は殺人鬼として復活、とか。 |
GM | たった今すれ違ったばかりの人が、振り返ってみると消えていたとか。 |
緋縅 | そういうのは、消えたとみせかけて落とし穴にはまっているというのが王道。…て、なんで病院内に落とし穴があるんじゃい!(笑) |
音羽 | なるほど、非常に科学的な説明。 |
白澄& チョロ | そんなのが科学かー! |
緋縅 | ま、それはいいとして。 |
GM | 綺譚社としては裏付けも取りたいし現場の写真も欲しいから、というわけで君たちに動いてもらいたいそうだ。 |
緋縅 | あらそう?今号のトップ記事なんて、冷蔵庫男が一つあれば充分じゃない。 |
白澄 | あのネタはもう使い古してるからさ。 |
緋縅 | ということは、今までにそんなあきれた記事を何度も載せてたのね。きっと「タンス男」とか「金庫男」とか、記事のネタに困るたびにそのつど少しずつ小道具を換えて、同じ内容を使い回しているんだわ。こういうのを「戸隠山の熊」というのよ。 |
GM | 連載「なんとか男シリーズ」。 |
刹矢 | すでにもう「今週のなんとか男」という専用のコーナーができている。 |
GM | そのうち飛行機食べるようになるねー、きっと。 |
刹矢 | 俺、「呑み込み」の妖術つけるか?他に成長させる所思いつかないし。 |
緋縅 | 真面目にルールブックめくってるわ、この人。 |
GM | …で、社長いわく「というわけで、病院や幽霊の件について明日にでも取材に行ってきてくれ」 |
チョロ | えー、採用すんですかあ? |
緋縅 | 採用というより、もしもちょっと調べてみて本当にやばそうだったら、私たちで解決して事実は闇に葬るというわけよ。 |
チョロ | なるほど。 |
緋縅 | 裏の仕事人。ふふふ、こう呼ぶとかっこいいわね。 |
GM | 方向性としては、大塚の近辺をあさってほしいということになる。 |
チョロ | 僕が見つけたUFOネタの方がよっぽどいいのにい。…まだ言っている(笑) |
GM | と、そこで白澄の携帯が鳴ります。 |
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白澄 | はいもしもし。普通に出るよ。 |
GM | 君の親父の事務所からの電話だ。 |
白澄 | はーい。 |
GM/ 父親 | 「お前、今どこにいるんだ」 |
白澄 | いつものとこだよ。 |
GM/ 父親 | 「ああそうか。実は、仕事の依頼が来た」 |
白澄 | 仕事?モノは? |
緋縅 | 大麻300グラム(↑嘘) |
GM/ 父親 | 「えーと…ちょっと電話では話せない」 |
緋縅 | あ、やっぱり大麻300グラムだわ。 |
白澄 | そういうのはモノじゃなくてブツっていうんだ。 |
GM/ 父親 | 「とりあえず、ちょっとこっちに戻って来い」 |
白澄 | はーい。(他一同に)そういうわけで、ちょっくら出てきます。 |
緋縅 | 氷冴がいると室温が下がるのよね。さっさと行って。 |
白澄 | そんな事言ってるとなあ、そのうち… |
緋縅 | (聞いちゃいない)ねえ、妖怪をゴミ収集に出す場合って何曜日に捨てればいいのかしら? |
チョロ | 燃やしちゃいけないと思うぞ。 |
緋縅 | でも少なくとも刹矢は確実に粗大ゴミの日ね。 |
GM | 音羽は燃えないゴミだな。 |
緋縅 | 恭哉だったら、テトラポッドに混ぜてそのへんの海に沈めておけばきっと不法投棄だってばれないわ。 |
刹矢 | いや、定礎の下に埋めて「人柱」。 |
音羽 | 人じゃねーだろ。 |
白澄 | しかも、効果悪そう…。 |
どうしてみんな、そんな真面目に考えているんだろう。 | |
緋縅 | さあ白澄、大麻の受取に行くのよ。 |
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白澄 | はーい。…いや、大麻じゃなくって。 |
チョロ | 行ってらっしゃいましまし。 |
GM | と、白澄は行ってしまうわけですね。時間はそろそろ夜の8時とか9時頃。 |
チョロ | お腹すいたなあ。 |
緋縅 | チョロはきっと、「今日帰る途中で宇宙人に襲われてキャトルミューティレーションされたらどうしよう」とか考えているに違いないわ。 |
チョロ | どうしよう(笑) |
刹矢 | 怖くて暗い道が歩けない。 |
チョロ | きゃー。 |
緋縅 | でも、チョロをキャトルミューティレーションした宇宙人は絶対不幸だと思う…。 |
緋縅をキャトルミューティレーションするよりはまし。 | |
GM | あと、今晩何かやる人はいますか?いないんだったら、終電がなくなる前にどうぞ解散してください。 |
刹矢& 音羽 | はい。 |
緋縅 | みんな帰るらしいわね。私も帰りましょう。 |
GM | それって、恭哉が鳥状態で寝てる緋縅抱えて帰るの? |
緋縅 | いや、恭哉の頭に止まって寝てると思うけれど。 |
GM/ 恭哉 | 緋縅のしっぽ掴んで引きずって行こうかな? |
緋縅 | それはやめて。後で恭哉がどんな恐ろしい目に遇うか、気の毒でとても口では言えないわ。 |
チョロ | えー、みんな帰っちゃうの?僕、怖くて帰れない…。 |
GM | 君はどうせいつも通り、一晩中綺譚社にいるんだから大丈夫だよ。 |
緋縅 | あ、そうそう。社長は、新しい冷蔵庫のカタログを見ておいた方がいいと思うの。 |
さて、ひとまず綺譚社から白澄の方へと場所が移る。 | |
GM | 白澄がおうちの方へお戻りになられあそばしますと…親父さんが家で待っている。 |
白澄 | うん。で、何? |
GM/ 父親 | 「明日の10時に、池袋の近くにある病院に…」名前決めてないや。よし、「太田病院」にしとこう。 |
緋縅 | それGMも今考えたくらいだから、メモっておかないと絶対みんな忘れてプレイの途中で名前変わるわよ。 |
GM/ 父親 | 「10時に太田病院へ行って、そこの院長に会ってきてくれ」 |
緋縅 | やっぱり白澄、そろそろ頭がおかしくなってきたらしいわ。そうじゃないかと思っていたのよね。 |
チョロ | まったく。 |
白澄 | 待てい!仕事で行くんじゃい。 |
GM/ 父親 | 「どうやらそっち方面の仕事らしいから、お前が行って話を聞いてこい」 |
緋縅 | そっち方面ってどっち方面かしら?わくわく。黄色い救急車呼んでおかなきゃ。 |
白澄 | だからそっちの方面じゃないってば。「わかりました。では明日、太田病院に行ってきます」 |
…と 言う訳でこの続きは本誌でどうぞ。 |
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