駄仙遊撃録 |
巻之弐 天路歴程
TRA.が発行しているTRPG央華封神のリプレイ本、「駄仙遊撃録」巻之弐 天路歴程の冒頭部分です。
GM | さて、前回のシナリオが終わりまして9カ月が経ちました。季節は秋。その間は各自、符を書いたりお掃除したりと、それぞれの洞府で修行を続けていたわけです。さて、誰から行こうかな…。 |
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乂孑 | 俺、後にして。キャラシートの処理まだなの。 |
GM | じゃあ残りの三人でジャンケンして。(結果、靄加が勝つ) |
靄加 | ふっふっふ、最強! |
GM | では義徳君から始めましょう。君はある日、師匠に呼ばれます。 |
義徳 | はっ、師匠。 |
GM | 君の師匠、どんな人だっけ?男?女? |
義徳 | おじさんです。 |
靄加 | 前回、特に言及がなかった気がする。何でも紙兵衛マニアらしいけど。この人(と義徳を指す)がこうだから、きっと軍隊の上官みたいな人なんじゃない? |
GM | 義徳君が師匠の前に出てくると、師匠いわく「お前もずいぶん修行を積んできたわけだし、前回の水玉の試験に関してもそれなりにこなして来られたようだしな。どうだ、そろそろ修行の旅に出てみないか?二・三年下界を回ってみるのも悪くないだろう」 |
義徳 | ははっ、有り難きお言葉。 |
靄加 | そうか?有り難いか? |
乂孑 | 実は「邪魔だから出ていけ」という意味かも。 |
GM /師匠 | 「よし、お前もそのつもりか」と言うと、師匠は紙でちょいちょいと乗り物を作ってくれる。乗り物は何がいいかな…鳥にしておこう。「さあ出掛けるぞ。後ろに乗れ」 |
義徳 | 今すぐにで? |
GM | 「当たり前だ」 |
義徳 | ははっ。 |
靄加 | そんなに邪魔だったか。なにせ紙兵衛は二次元だから畳めば収納できるけど、義徳君を畳むわけにはいかんからなあ。 |
GM | 君と師匠を乗せて鳥はばっさばっさと飛んでいく。 |
GM | 次は針山君。 |
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靄加 | ハリネズミ君の番だな(この呼称については彼の名前もさることながら、針山の最初期版イラストが某セガの看板キャラそっくりだったことによる)。彼の師匠もどんな人だかよくわからないんだけど。 |
針山 | かなり風水というものを勘違いしている人らしい。こんな風に、曲解して弟子を育ててるくらいだから。 |
靄加 | 少年は曲解して育てられてこうなったのか。 |
針山 | 日々、ねじまがった寒い会話を師弟で続けている。先に本音を言った方が負けなのだ。 |
GM | さて、君も師匠に呼ばれる。「針山、今日はいい天気だなあ」 |
針山 | そうですなあ。 |
靄加 | ええい、普通に会話しろ!(笑) |
乂孑 | 普通じゃないからいいんだよ。 |
GM /師匠 | 「前回見てきた下界は良かっただろう」 |
針山 | 時間の流れが違うというのも悪くないものですな。 |
GM | 「下界の生活で何か興味を持ったことはないか?」 |
針山 | ま、一度は下界を捨ててきた身ですからね。 |
GM | 「あれから他の連中との付き合いはあるのか?」 |
針山 | …どうなんだろう?前回の時点では、俺って誰かと顔見知りだったんだよな。 |
靄加 | 艶紅さんだよ。はっ、もしかしてあれから少年と艶紅さんがおつきあいしてたら素敵。 |
針山 | いい刺激にはなりましたな、とでも言っとこう。 |
乂孑 | 刺激にしかならなかったのか。 |
靄加 | 「ひどいわ、遊びだったのね!」 |
GM | 艶紅を敵に回したら串刺しにされるよ。 |
靄加 | 保証するけど、針山だったら即死。一撃で焼かれて骨も残らない。 |
乂孑 | えっ、今のは靄加のセリフじゃないの?(笑) |
靄加 | 馬鹿者、女かどうかもわからん奴にそんなセリフで迫られたいか?…まあそれは置いといて。 |
針山 | 師匠が何を言わんとしてるのか、だいたい見当はついてきたな。 |
靄加 | お前はいらない人間なんだ。師匠のセリフの裏側に、出ていけ出ていけとサブリミナルメッセージが入ってる。 |
GM /師匠 | 「時に、お前のような修行中の道士が洞府にばかりこもっていると視野が狭くなっていかんかもしれんな」 |
針山 | しかし、修行に出るとなると二・三年はここを留守にすることになってしまいますな。 |
GM /師匠 | 「そんな事は心配しなくてかまわん」 |
針山 | ところで一人旅というのは何かと心細いですね。 |
靄加 | 一人が寂しいなら「乗騎より楽しい乗り物」でも貰えば良かろうに。 |
針山 | ? |
靄加 | いや気にするな。意味がわからなければもう一度聞きに来たまえ、ただし大人になってからな。(靄加の台詞の意味が分かった人、後で職員室まで来なさい) |
GM /師匠 | 「安心しろ。この前の連中の師匠のもとへ、すでに手紙は出してある」 |
針山 | というわけで俺は旅の荷物をまとめ始める。 |
GM | そして君が洞府の入口に出てくると、そこにはマンボウが待っていた(一同爆笑)。 |
針山 | (しばし沈黙)師匠…これ、乗るとこ狭いですよ? |
GM | マンボウは嫌か。ではエイにしてあげよう。改造してあって、スピードもそれなりに出るようになっている。 |
靄加 | あ、それはかなりかっこいいかも。マンタレイだといいなあ。 |
GM | でも乗ってるのが師匠じゃないから、なんだかエイやる気がないです。弟子だと思ってバカにしてるみたい。 |
靄加 | 「飛べよ!」とか言っても、聞いてくれない。 |
針山 | しかもときどき後ろから尻尾ではたかれる。 |
GM | 次、君(と乂孑を指す)。師匠はどんな人だっけ? |
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靄加 | その辺の設定ちゃんと作ろうよ、みんな(注・このプレイは駄仙遊撃録の設定本を作る前なので、まだ各キャラの設定があやふやだったりする)。 |
乂孑 | おじさんというか爺さんというか、そんな感じ。 |
GM | 君も師匠に呼ばれる。「おや、使役獣たちもずいぶん成長したようだな」 |
乂孑 | そうなのー、ほくほく。でも前回徳が2点も下がったから、自分は成長してない。 |
靄加 | 巫蠱なんて付属品なんだってば。使役獣の制御装置にすぎないのさ。 |
GM /師匠 | 「さて乂孑、お前も修行のために旅に出てみた方が良いのではないかと思うのだが?」 |
乂孑 | うん、そうだねー。行ってきまーす。 |
GM | というわけで師匠と君は洞府から出掛ける。 |
靄加 | あれ、この人の場合は師匠がついて来るの? |
義徳 | 私の場合も師匠同伴だけど。 |
針山 | 師匠が来ないのは俺だけだって。 |
靄加 | そうなのか。やはり少年は見捨てられてるんだね。 |
乂孑 | いや、実は仙魚が師匠なんだ(笑) |
GM | はい、四人目は君(と靄加を指す)。君の場合は師匠の使鬼が呼びに来る。 |
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靄加 | いつも私が呼ばれて来た頃には、何を言うつもりだったか忘れてるんだよな。それで師匠、何でしょうか? |
GM /師匠 | 「えーと…おぬし、誰だっけ?」 |
靄加 | いかん、用件以前の問題だった。思い出すまで私はここで待ってなきゃならんのか。…さて、そろそろ思い出しましたか? |
GM /師匠 | 「おお、誰かと思えば私の弟子。今日は誰かと会う約束をしてたんだが何だったかねえ…ああそうそう。靄加、旅に出る気になったか?」 |
靄加 | な、何をそんな唐突に!さてはそれまでの経過を説明するのを忘れてるらしいな。 |
GM | 「というわけで、出発は今日だから」 |
靄加 | なにいいいっ!そんな急な話なのか。 |
GM | 師匠の方は、数日前に説明した気でいるらしい。 |
靄加 | いや、ちゃんと説明されたのに私の方が忘れているだけかも知れない。記憶の空白を山ほど抱えた師匠と弟子が一緒に生活していると、毎日がスリリングさ。 |
GM | ということで、どうやら修行の旅に出るという話になってるみたい。 |
靄加 | 近頃私も記憶障害がひどくてな。俺は誰だ、ああセフィロスの声が呼んでる。 |
GM | と、間抜けな問答を君と師匠がやってると、洞府の表に何かが到着している様子です。 |
靄加 | 嫌なものが近づいてくる気配がする。 |
GM | 洞府の入口に、こういう(と残りのメンバーを指す)いろんな車が止まるわけさ。 |
靄加 | 嫌すぎる。しかも全部改造車だ。 |
GM | 一番のキワモノは君の師匠のゾク車だよ。 |
靄加 | うちの婆さん、そんなものに乗ってるのか? |
GM | 弟子がハーレーに乗ってるんなら師匠はやっぱりゾク車でしょう。でなきゃデコトラ。 |
針山 | いや、やっぱりそこはプースラで、既に天然記念物と化した出っ歯と竹槍つけたやつ。 |
乂孑 | (爆笑)で、少しの段差でも腹こするんだ。 |
針山 | 当然横にはファイヤーマーク。ボンネットに目が描いてある。 |
靄加 | わけわかんねー…何者だ、このばばあ?そろそろ本気でやばいかも知れんな。 |
乂孑 | しかも使鬼がハコノリしている(笑) |
靄加 | そんな激しいものが自分の洞府の前にあるとは、今までずっと知らなかった。 |
GM | さて、師匠の所に使鬼が「到着しましたよー」と呼びにくる。で、しばらく悩んだ後でばあさんはやっと何の話だったか思い出して、君を連れて外に出る。 |
靄加 | するとどこかで見たような皆さんが来ているわけですね。 |
GM | そう。やる気のないマンタやら紙の鳥やらに乗っかって。で、師匠同志で挨拶が始まります。 |
靄加 | これが師匠の面々か。前々からあんな弟子に育てた奴の顔が見たいと思っていたんだ…って、全員同じこと思っていそうだな。 |
針山 | なんか皆が、俺じゃなくてエイの方を見ているような…。 |
靄加 | 少年なんて、マンタに育てられたからこんな風に歪んだ人格になったんだな。 |
GM | 少年の師匠、実は時空に穴あけて後ろから様子を見てるのかも知れない。「ふふふ気付いてない気付いてない!」とか言って。 |
靄加 | 師匠がこんなに集まって何するつもりだろう。やっぱりあれか、麻雀かな。 |
GM | 一人足りないです。 |
針山 | マンタを入れれば四人になるぞ。 |
靄加 | で、実はマンタが最強というのが王道。 |
GM | さて、ごあいさつも終わったところで皆さんの師匠からおたっしがあるわけです。しばらく修行の旅に出なさい、二・三年帰って来なくていいよと。 |
靄加 | なにっ!私、何かそんなにまずいことをやらかしたんだろうか。 |
GM | 各自、自分が成長したなーと思ったら戻ってきてもいいから、それまでは適当に修行してなさいというわけ。 |
靄加 | いい加減だなあ。まあ仙人なんてそんなものだけど。弟子がいい加減だと師匠もいい加減なもんだ。 |
GM | それ逆。師匠がいい加減だから弟子もそうなるの。 |
靄加 | 少年なんて、師匠が歪んでるせいで弟子も歪んでるしな。 |
乂孑 | いや、この人の場合は洞府自体が歪んでるんだ。 |
靄加 | 彼の洞府はきっと空間だけでなく気の流れが歪んでいるに違いない。 |
針山 | そう、無理やりバイパスして流してるから。 |
GM | しかもときどき詰まる。(一同笑) |
針山 | じゃあ何かい、俺は便所のカッポン持って洞府の中を走り回ってるわけか!? |
靄加 | 可愛い。 |
針山 | 「何か気の流れが悪いようだなあ」「そうですなあ、アレはどこに置いてありましたっけ」「やはり便所の傍だろう」…で、ばたばた走って便所から取ってきてそのへんでがっぽんがっぽんと流れを修正してる。 |
靄加 | これが少年の修行の日々の様子というわけか。 |
それはちょっと違うんじゃないか? |
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