◆ものすごく初期ラフ版のユーリ◆
2000年頃、「ユーリ」のシリーズがまだ本格的に始動していなかった頃に、
「海賊もののシリーズの企画があるので、試しに何人かキャラクターの絵を描いてみてください」
というお話を童心社の方からいただきまして。
その頃に描いた最初期段階のラフ絵を先日部屋の片隅から発掘したのですが、
当時のキャラの仮案は今とかなり違っていたりしてちょっと懐かしかったので
そのプロトタイプ版のデザインを再現して描いてみました。
(さすがに当時の絵をそのまま載せるのは恥ずかしいので、絵そのものは今回新規に描いたものです)
この時はまだ一巻目の本文を実際に見ていない(というか本文が完成していない)時期で、
「このキャラはこういう感じ」という簡単な設定書をいただき、それを元にしてラフを描いていました。
なので本文の描写とそぐわない所が多いのがご愛敬。
あと「この時期の草案には設定が載っていたけど、完成版のお話では削られたキャラ」とか
逆に「この頃はまだいなかったけど、完成版に登場しているキャラ」というのが
何人かいたように思います。
確か、この時点でいただいたキャラの概要説明によると
「ユーリ:リーデニア海で名を知らない者はいない、大胆不敵な海賊の少女。
剣の腕は誰にも負けず、いつも弱い者の味方」
というくらいの記述になっていて、宿命的な気配を背負っているとか
実は200年生きている…というあたりの設定は書かれていなかった記憶があります。
なので「長くつしたのピッピ」みたいな、パワフルではじけた女の子なのかな?
と漠然と想像しつつ描いたため、こんな雰囲気になってしまいました。
今見ると「誰だこりゃー!」という感じで、自分でもけっこう笑えます。
ただ、そのあと詳しい説明を聞いたり、実際の物語を読んだりして
キャラの雰囲気はだいぶ変わった結果に完成版のユーリになったわけですが、
髪型や服装のデザインはこの最初の案から変わっていない部分が意外と多いです。
違う所といえば
・初期案は髪が癖っ毛だった(最終的にはノエルの方が癖っ毛ぎみになりました)
・ソックスがシマシマ模様で派手めだった
・靴の形がコミカル系だった
・胸元の露出がちょっと大胆だった(笑)
…というくらいかな。
また、ユーリの青いマントは本文の描写に合わせて後からつけ足したので、
この頃のラフだとマントは描いてありません。
ところで、最初から既にユーリがこういう髪型になっていたのは、割としっかり理由がありまして。
「普段は海賊をしているユーリだけど、きっといつかどこかで
『ドレスを着て、女の子らしい格好で出てくる』という王道なシーンがあるに違いない!
その時のためには、やっぱりユーリは長くてきれいな髪でなければ!」
↓
「でも髪を下ろしていると海賊業をやる時に邪魔だろうから、結んでいるのが妥当かな」
↓
「でもポニーテールにすると海賊のトレードマークである帽子がかぶれないし、
かといって低い位置で結ぶと、女の子らしい活発さがいまいち出ない…」
↓
「頭の横の高めの位置で結んで、帽子は斜めにかぶっている、というスタイルにしよう」
という発想で、ユーリのあの髪型が決まったわけです。
そういうわけで、私としては1巻目の物語を読む前から上記のように思っていたので、今回(7巻目)のお話で
ユーリがドレスを着ているシーンがあったのは「ついにこの時が来たか!」という感じで嬉しかったです。
逆にピップスやオーガムあたりは、最初期に描いたラフ↓と比べてほとんど変わっていなかったり。
(オーガムは実際に初登場したのは3巻ですが、一番初めの頃から
キャラ設定一覧に名前が載っていました)
■■糸玉を辿る■■