亡国騎士
(2006.JANUARY)
序章と第一章の間、グランベロス占領下の長い冬。
従うべき道をなくした騎士というのは本体がない周辺機器と同じくらい意味がないわけで、
あれだ、「間違えて買ってしまったけど家にあるPCとは規格が合わないケーブル」とか
「ゲーム機が壊れてしまったのでソフトには異常はないものの二度と遊べないゲーム」とか、
そのくらいのしょうもなさ。
平和な世の中で過ごしている自分には、「大切なものの為に命も捨てられる覚悟で生きている」
という心は容易に思い及ぶものではありませんが…
その矜持と意志を拠り所とし、それで自分を支えているであろう彼ら騎士にとって
主という事、使命という事、他者を守れる誇り、何より騎士である事を失うというのは
どれほどの失意であり絶望であったんだろうな、と思います。
ナイト三人は元が元だけに、過酷な状況を耐える能力は人並み以上のものがあるはずと思う。
彼らがナイトになるまでには、その出自のせいでビュウもトリオも
苦労する事が多かったのではないだろうか。
でも多くの逆境を渡っていく中で、時にはそういう野良育ちゆえの性質が
ビュウにとって有り難く思える時があったりとか、そういう感じだといいなと思います。