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「少女海賊ユーリ」に関するお知らせを更新しました。
他には絵をいくつか追加、「船」のコーナーを暫定再開。
それと先日、「ユーリ」とは別の本の挿絵の仕事をさせていただきました。
それに関しては次回更新の際に詳しくお伝えする予定です。
今回のトップ写真は、バルセロナの街角で見かけた聖ゲオルギウスの彫刻です。
(↓鎧姿の騎士が、竜の口の中に槍を突き刺しているシーンなのがわかるでしょうか…)
ゲオルギウスといえば、「お姫様をさらった邪悪なドラゴンを退治した」という伝説で有名なので
ご存知の方も多いかも知れません。いわば元祖版ドラゴンクエスト?
ちなみに「ゲオルギウス」という読み方はラテン語の表記で、スペイン語では「ホルヘ」、
カタルーニャ地方の地方言語(カタルーニャ語)では「ジョルディ」という読み方になります。
英語だとジョージ、独語だとゲオルグ、仏語だとジョルジュ、伊語だとジョルジョ。
聖ゲオルギウスはヨーロッパの全域で人気の高い聖人なのですが、
バルセロナでは他の街にも増して、建築などの装飾モチーフに使われているのを頻繁に見かけました。
(他のゲオルギウスの写真も何枚か撮ってきました。こちら)
「何か理由があるのかな?」と不思議に思ったので、バルセロナを案内してくれたMさん(現地在住の日本人の方です)
に尋ねてみたところ、聖ジョルディ(=ゲオルギウス)はカタルーニャ地方の守護聖人なので
カタルーニャの主要都市であるバルセロナでは特に人気があるのだとのお答えでした。
ところで聖ゲオルギウスは、もともとは4世紀に殉教したカッパドキア出身の聖人で、
例の竜退治もリビアで起きた出来事だという伝説が一般的です。
(実際には架空人物だという説も有力らしいですが)
なので地理的にはカタルーニャと縁がない人であるはずなのに、カタルーニャ地方では
「時はレコンキスタ時代、キリスト教徒とイスラム教徒が戦争をしていました。
そのときイスラム教徒が、アフリカで捕まえたドラゴンをカタルーニャにけしかけてきた!
このドラゴンはキリスト教徒の乙女をさらって食い殺すのが大好きなんだ、さあ大変!
そこへ登場した聖ジョルディが、ドラゴンをやっつけて我々を助けてくれたんだ!聖人様万歳〜!」
というような伝説があり、あのドラゴン退治はこの土地で起きた事件なんだという事になっているそうです(笑)。
中世の西欧の人にとってアフリカというのは人外魔境そのものですから、
アフリカにならドラゴンでも何でも当然いるに違いないと思われていたのでしょう。
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