←はい、この通り。実は建物は修復中で、工事用の幕に建物の絵が描いてあるだけなんですね。
日本ではこういう光景を見かけることはないので冗談みたいに見えますが、西欧だと意外とメジャーなやり方のようです。
なかなか良くできていて、夕方などちょっと暗い時に遠くから見れば本当に騙されかねません。
私が最初にこういうのを見たのはパリのマドレーヌ寺院だったのですが、その時たまたま日暮れ時だったので最初はニセモノだとぜんぜん気付かなくて「ねえ、あの建物なんかおかしくない?」と言う母に「そんなことないよ、照明の加減でそう見えるんだってば」とか言ってました。
工事の期間中、建物が殺風景な四角い幕で覆われてしまうのはいかにも街の美観を損ねるので、せめてぱっと見た時の違和感だけでも軽減しよう…という配慮なのでしょう。名所旧跡の修復工事が頻繁に行われるお国柄を反映しているかのようです。
また西欧には「トロンプ・ルイユ」(=だまし絵。壁や天井に精巧な絵を描いて、そこに無い庭や風景を演出するものです)という手法が古くからあるので、そういう伝統が工事現場の幕にも生きているのかも知れません。
■■糸玉を辿る■■
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