2005年8月12日、TRA.の方で夏のコミケット68にサークル参加したのですが
その時に配付したインフォメペーパーの余白のらくがき漫画です。
ちょうど8月1日頃に「ICO」をクリアしたばかりだったので、それについて描きました。










こんな有様でしたが、「ワンダ」は8月のうちから予約して発売日に買いました。
でも実際、あのゲームでは(ゾウは連れないけど)馬をパートナーとして旅をしますね。





追記


宮部みゆき氏の小説版「 ICO」も、結局なんだかんだでコミケ当日になる前に読んでしまいました。

小説版については「原作のゲームのイメージと違う部分が多い」という減点評を見かける気がしますけども。
私は割とFC・SFC時代にゲームのコミック版やノベライズ版に親しんでいて、
その頃のノベライズ版といえば(当時のゲーム内で語られる情報量というのはごくわずかでしたから)
ゲーム内に無い要素やアレンジが多く含まれていたり、自分のイメージと違っていたり、
作者のオリジナリティが強かったり…というのはむしろ当たり前でした。
(ベニー松山氏のウィザードリィの小説とかがすごく好きだった)
なのでICOの小説も「原作と違う」「イメージと違う」という点については、確かにその通りではあるものの不満は無く
むしろ宮部氏オリジナルの場面(イコやヨルダの過去など)が特に面白かったと思います。
ゲーム内で出てくるトロッコや橋の立像などに、宮部氏独自の意味づけや解釈を与えて
物語の中に登場させているあたりは、プレイヤーとして特にニヤリとさせられました。

しかし逆に私としては、ゲーム内の要素を踏襲しようと気を使うあまり
かえって小説としてしっくりしない箇所があったように思え、その点が残念だった気がしました。
原作のICOには「ゲームというメディアでやってこそ意味がある」
(逆に言うと、小説というメディアには向かない)展開や演出が多く含まれていますが、
ノベライズする際にそういう要素を文で再現してもあまり意味がないのでは、
思い切って削ってしまっても良かったのではないかと。
宮部氏がICOを愛している事、ICOを壊したくないと願いつつ執筆していた事は
後書きからもよく伺え、それはとても素晴らしいと思うのですが…
その気持ちが、今回はやや宮部氏の創造性の足枷になってしまったのかなと感じました。

とは言え一般的なゲームのノベライズ作品として見れば、この小説は充分に完璧な完成度であると思います。
もし仮にこれを書いたのが宮部氏でなければ、私も100%満足していたことでしょう。
ですが個人的には「同人やノベライズ系の作家さんがゲームの小説を書く事は多いけど、
そうではなく、一般文芸方面で既に大家である方がゲームの小説を書く」
→「どんな小説になるんだろう、宮部氏にしか表現できない切り口でICOの世界を見てみたい」
という方向に興味を寄せていたので、それにしてはちょっと無難だったかな…という点が
(まあ、勝手なわがままではあるのですけれど)惜しかったなという感想でした。


あれこれと書いてしまいましたが、読み始めたら止められなくて一気に読んでしまったのも事実ですし
総合的には小説版もとても好きです。





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