CatsPanicシリーズ |
vol. 3 森へ帰ろう
TRA.が発行しているSWORD WORLDリプレイ本、「CatsPanicシリーズ」vol. 3 森へ帰ろうの冒頭部分です。
GM | じゃ始めますね。前回の冒険から3日ほど経ってるんだ…という訳で生活費をマイナスしておいてね。 |
---|---|
チャイ | 3日と言うと…チャイはまだくたびれてるか、猫とたわむれてるかのどっちか。 |
フィー | きゃー。 |
GM | さて。場所は、正式名称を誰も覚えていない例のタイデルの宿だ。 |
チャイ& ルチル | 猫屋敷ー! |
GM | 通称は猫屋敷(笑) |
フィー | 何よそれーっ! |
GM | 時間はというと、明け方5・6時くらいかな。 |
ボンド | あれ、そうするとルチルやボンド君はその場にいないの? |
GM | うん、そうだね。ところでボンドはどこで寝てるのかな。 |
ボンド | 街はずれの洞窟。 |
ルチル | 私は実家で寝てます。 |
ボンド | (ルチルに)風邪治ったの? |
ルチル | 治りました。 |
GM | ルチルの家ってどの辺にあるの? |
ルチル | 街のはずれ…とまではいかないでしょう。はずれに近いとは思うけど。 |
GM | (だったらルチルとボンドは判定から除外だ)ルチルとボンド以外の全員は、冒険者レベル+精神力ボーナスでダイス振ってみて。 |
チャイ | きゃー、目が低い。10だよー、しくしく。 |
フィー | 11。 |
アル | はっはっは(目は3)経験点ももらえない最悪の目だ…7。 |
GM | (ロビーナの分のダイスを振る)じゃあ…ロビーナとフィーが、たまたま夜明けに目を覚ます。 |
チャイ | すやすや。 |
GM | そろそろ明け方だと考えてくださいな。もちろん男女別の部屋で寝てるだろうから、フィーの方で話を進めよう。さて、目を覚ますと…窓の外が何やら騒がしい。何かを引きずってるような音と、ばさばさばさっという音がする。 |
フィー | ばさばさ? |
GM | 窓開けてみる? |
フィー | あっそうか、開けないと外が見えないのかな。 |
GM | でしょうねえ。ここの窓、ガラス張りじゃないと思うよ。 |
フィー | (窓を細めに開けてみる仕種)ちょっと開けてみる。 |
GM | この宿って大通りに沿ってるよね。で、その窓の前を大きな樹がずりずりずりっと歩いている。 |
チャイ | おお! |
フィー | ひっ(あわてて閉める仕種) |
チャイ | チャイは寝ているんだなあ。起きたいよー。 |
GM | あとの人は寝てるよ。これは相当大きな樹だね。ずるずると歩いていく。 |
フィー | 樹が生きてる物なのかどうか、センス・オーラしてみる。 |
チャイ& ルチル | ドライアードは? |
GM | うじゃうじゃいる。それどころかエントもいるようだね。それくらい大きな樹なの。 |
ルチル | ひえー。 |
フィー | 樹の下の方を見る。 |
GM | 下を見る?そうすると、地面の上を根が足みたいになって這って歩いている。ビオランテを想像してください(笑)(C円谷プロ) |
ルチル | 指環物語のエントみたいなのですね。 |
GM | うん、もちろん樹はすごく高いから、宿の屋根なんかとうに越えてるよ。 |
フィー | ちょっとぉ!みんな起きてよーっ。 |
GM | て、叫んだ?それならみんな起きるよ。 |
チャイ | 何だ何だ。(実は起きたくて仕方がなかった)だだだだっと窓へ駆け寄って…面白そうな物がーっ!(笑)あ、グラスランナーだから樹と話してみる。 |
GM | 窓を開けてみると、樹はもう向こうの方に這いずって行ってしまっている。 |
チャイ | 追いかけてみる。グラスランナーの好奇心は強い。 |
GM | 窓から飛び降りるの?(笑) |
チャイ | ここ何階かな。 |
GM | 二階でしょう、多分。 |
チャイ | それだったら、チャイなら大丈夫な気がするなあ。 |
アル | こっちは飛び降りるとケガをするから、階段から外へダーッシュ。 |
GM | いや、フィー達と部屋が違うから彼はまだ寝てるはず…まあいいや、ロビーナは目を覚ましたんだから、アルを叩き起こした事にしとこう。 |
チャイ | じゃあみんな起きた? |
GM | うん、ボンドとルチル以外はね。 |
チャイ | 樹を追っかけるー!窓から降りて…あれ、シーフって何メートルまで飛び降りられるんだっけ? |
GM | チャイなら基本的に平気そうだよ。 |
チャイ | じゃあくるくるくる…すとっと着地してダッシュ。 |
アル | 遅いけど仕方がないので、全力ダッシュで追いかける。 |
GM | ばたばたばた…宿の入口に出て来たね。 |
チャイ | チャイのダッシュ。樹さん、待ってー。 |
アル | おお、速い!どんどん離されていく。 |
GM | そうするとチャイが一番先で、他のみんなが後ろからついてくる形だね。もちろん朝早いから、周りに他の人はいない。 |
チャイ | うん。ダッシュー。 |
GM | チャイが真っ先に追いつくね。ほら、タイデルって十字路の街じゃない?その目抜き通りの十字路の真ん中にでんっと居座ってしまってるんだな、この樹が(笑) |
チャイ | わーい、お話する。何を考えてるのかな?とにかく友好的な意志を伝えよう。 |
GM | ばさばさばさ。特に返事はないけれど、まあ邪悪な意志はないようだ。 |
チャイ | 近づいてみよう。 |
GM | 近づくと判るね。さっきまで動かして歩いていた根を土の中に埋めて、なんか居ついている。 |
チャイ | 触る。 |
GM | ぜんぜん普通の樹と同じ。 |
チャイ | 登る。 |
GM | でもすごく大きい樹だから、枝のある所はずっと上だよ。(と、図を描く)チャイの大きさはこれ位ね(笑) |
チャイ | うーん、鉤爪使ったら可哀想だし。 |
GM | とにかく、ちょっと登って登れるような雰囲気ではない。 |
ルチル | トトロに出てきたみたいな樹だね。 |
GM | そう(うーん、本ネタばれてんなぁ) |
チャイ | 根っこに乗っかって遊んでる。 |
GM | そうするとみんな追いついて来たねえ。 |
アル | 二番乗りだ。 |
GM | なに、アルも木登り?(笑) |
アル | いや、切りつけようかと思ったけど、ちょっと普通じゃなさそうなのでやめとく。 |
チャイ | 大きな樹さん、どこから来たのだ、どこへ行くのだ。 |
GM | ばさばさばさ…特に返事はない。じゃあここにいる人は、冒険者レベル+知力で振ってみて。 |
フィー | 15。 |
チャイ | 14。 |
アル | 13だ。 |
GM | …じゃあ全員気がついたんだな。えーと、北東の方の空だね。よく見ると何かがばさばさと飛んでいるんだ。 |
チャイ& アル | よく見る。 |
GM | 大きさは割と大きいんだけど、夜明けの空で薄暗いから詳しい形はよくわからない。で、そのまま見てると、それはひゅーっと北東にある森の方に飛び去って行ってしまった。 |
アル | あ、行っちゃった。 |
チャイ | 覚えておこう。北東の森…うん、覚えた。チャイは覚えたよ。 |
GM | そうしているとだんだん朝になってくるから、他の人達もぞろぞろ起き出してきて、樹を見て「何だこれは」とか言って騒いでる。 |
チャイ | 樹に耳を当てて、樹の中を水が通る音を聞く。聞こえるかな? |
GM | ナウシカみたいね、それ。まぁ聞こえるよ。ちゃんとした樹だから。 |
チャイ | わーい、樹さんがちゃんと生きてる。ぺたぺた(と、幹に触る仕種) |
ルチル | じゃあルチルも起き出していいかな? |
GM | うん。表でがやがや騒いでるんだから気がつくだろうね、やっぱり。 |
ルチル | やあお早う。 |
ボンド | ボンド君はどうなるんだろう。まだ寝てたりして。 |
GM | えーと、ボンド君って低血圧? |
ボンド | いや、朝早く起きてお師匠さん(※バードの師匠だそうな)の所へ。 |
GM | じゃあそろそろボンドも気付いて、みんなと一緒に何だこりゃとか言っている。 |
ルチル | 根づいてるの、これ? |
GM | うん、ちゃんと根づいてる。 |
フィー | こつ、こつ(幹を殴る仕種) |
GM | 殴っても別にどうって事はない。で、そうしていると知らせを受けたのか、役所の人達が来て何かやっている。 |
チャイ | こんにちわー。 |
GM | うん、でも役所の人にもよくわからないみたいだね。「お早うございます」 |
ボンド | お早うございます。 |
チャイ | あのねあのね、樹が歩いたんだよ。 |
GM | 「なに、歩いていたのか」とか何とか言っている。 |
ボンド | こういう状況って詩になってない? |
チャイ | バードの「伝承知識」だね。 |
GM | いや、特に前例はない。(※GMのミス。本当はプレイヤーにロールさせてから「知らない」と言うべきでした) |
ルチル | じゃあ役所の人に説明するのだ。 |
GM | チャイたちが見た事をみんな説明した訳ね。役所の人もはっきり言って頭を抱えている。 |
チャイ | だろうなあ。 |
GM | とかやってると、だんだん朝も明けてくる。で、隊商の馬車なんかがゴロゴロとやって来るんだけど、何しろここは十字路の街。その十字路の真ん中に樹がつっ立っているから、思うように進めなくてすごく困っている様子だ。 |
チャイ | チャイは樹に話しかける。樹さん、もうちょっとどいて。 |
GM | ずえーん。返事はない。 |
チャイ | しくしく。 |
フィー | (樹に)ちょっとあなたどきなさいよ、邪魔でしょ。良い子はお家に帰りなさーい(笑) |
GM | ずえぇぇぇぇぇん。(笑)ばさばさばさ。 |
チャイ | お帰り、ここはお前の住む世界じゃないのよ(笑) |
GM | こらこらこら。 |
アル | 切ってしまおう。 |
GM | 切る? |
チャイ | そんな…ダメだってば、チャイの樹っ!(既に私物化している) |
ボンド | 歌になりそうだからやめよう。残しとこう。 |
チャイ | チャイの樹。チャイの樹だもん。 |
ルチル | それに切るのはすごく手間がかかりそう。 |
アル | 説得されてしまった。 |
チャイ | チャイの樹とチャイが決めたからこれはチャイの樹。 |
GM | おいおい(笑) |
ルチル | 第一発見者の物になるんですか? |
アル | 残念だ、ボンドの樹なら容赦なく切ったのに。 |
GM | とか言ってると、そろそろ朝ご飯の時間。 |
アル | では私がここで樹を見ていよう。私の分の食事は適当に処理しておきたまえ。 |
GM | 宿の人が「ご飯の時間ですよー」て叫んでるよ。 |
チャイ | 帰る。猫の餌付けをしなければならない。 |
ルチル | ルチルはみんなと一緒に宿で食べます。 |
GM | じゃあみんなは朝ご飯を食べる。 |
チャイ | チャイは自分のを半分猫にあげるんだよ。 |
GM | (半分で足りるのかな)…そうこうしているうちに昼近くになってくる。その間、ずーっとアルは樹を見てる訳? |
アル | そうだよ。 |
GM | 見てるけど、変わったこともないね。野次馬はぞろぞろ来る。あと、旅の馬車とかもいくつか来るんだけど… |
ルチル | 困ってるだろうなぁ(笑) |
GM | うん、十字路が使えないから回り道しなきゃいけない。 |
チャイ | 学者様とか来ないの? |
GM | 学者もたくさん来ているけど、さっぱり要領を得ていない様子だね。 |
アル | あっ今樹の所に僕しかいないよね?切っちゃおうかなー、ふっふっふ。 |
チャイ | あ。 |
GM | いや、切ってもいいけどね。 |
チャイ | 切るんですか? |
GM | 切ったことがチャイにばれたら後が怖いな(笑) |
ボンド | 歌の題材を切り取りやがって(笑) |
アル | おまけに切る理由がない(理由もないのに切りたがるという…) |
GM | そうやって考えていると学者の一人が近くにやって来て、幹をナイフでちょっと引っ掻いている。 |
アル | やっぱり止める。ナイフをひったくる。 |
GM | …成功ロールしなくてもいいか。ただの学者さんだもんね。 |
アル | だからこうぽーんと突き飛ばして… |
GM | 学者さん倒れてます(笑) |
ボンド | かわいそーに。 |
アル | そこではっきり「この樹に何をするんだ!」 |
GM | 「いや、しかしこんな樹は今までに見たことがありませんから、我々としても調査をしなければならないのです」と言っている。ところが…セージと知力で振ってみて。 |
アル | おお、新しく取ったセージが使える!…15だ。 |
GM | それは優に成功だな。ナイフで引っ掻いたはずの傷がついてない。 |
アル | あ?一番、回復機能が高い。二番、もともとそういう樹。のどっちかでしょう。 |
チャイ | 朝ご飯が終わったら、ダッシュで樹の所に行く。で、学者さんたちがいるのかな? |
GM | 学者さんとかただの野次馬とかね。 |
ルチル | ソーサラーギルドの人もいるのかな? |
GM | いますね、そりゃ。 |
ルチル | やぁこんにちわ。 |
GM | 「やぁこんにちわ」(笑) |
チャイ | ねぇ、傷つけたのが元に戻ったのってチャイは見てなかったのかな。 |
GM | 見てないね。 |
…と 言う訳でこの続きは本誌でどうぞ。 |
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