CatsPanicシリーズ |
vol. 9 祝典協奏曲
TRA.が発行しているSWORD WORLDリプレイ本、「CatsPanicシリーズ」vol. 9 祝典協奏曲の冒頭部分です。
ルチル | 前のシナリオで、祭りの一日目と二日目は完全につぶれたんだよね。だから三日目からは丸ごと空いてるんだ。 |
---|---|
ギュゲス | もっとも俺はまだ別邸の見張りをやってるけどな。いちおう三日目までの約束になってた。 |
ロビーナ | じゃあギュゲスはウィンザーで監視をやってて今宿にはいない、と。 |
GM | で、四日目の夜にちょっと報告に行かなきゃいけないんだね…そうすると時間を少し戻して、祭りの三日目の朝から始めるよ。さてロビーナちゃん。 |
ロビーナ | はい。 |
GM | ロビーナは今から一ヵ月程前に、ラーダ神殿へ呼ばれてこういう話を持ちかけられたのだ。「実はだな、君は光栄なことにラーダ神殿の代表の一人に選ばれ、祭りの際の踊りに参加できることになったのだ。喜んでくれ」 |
ルイ | ああ、ミスコンでしょ(笑) |
ロビーナ | (ルイを睨んで)何か言ったか?! |
ルチル | いや、ミスターレディコンテストだよ。 |
ロビーナ | ますます救いがないぞ(苦笑)…で? |
GM | 「祭りの最終日のフィナーレとしての催しだ。大通りの十字路の中心に舞台が作られて、そこで皆で踊るんだ」 |
ロビーナ | 他の神殿の人も? |
GM | 「そうだ」 |
ギュゲス | 前のシナリオで本邦初公開・ギュゲスの目を出したんだから、今回ロビーナが女装しても良さそうなもんだ。 |
ロビーナ | 別に女装して踊るわけじゃないって。 |
ルイ | そうだよ、もともと女なんだから女装にならないじゃないか(笑) |
ロビーナ | この場にいない人間はしゃべるなー!…はい、何やら空中から意味不明のセリフが聞こえるけど(笑)気にせずにお話を伺いましょう。 |
GM | 「神殿からの人間ばかりでなく、いろいろな所から招かれた踊り子や子役たちも加わって踊るという、まさに一大イベントなのだ」 |
ロビーナ | 人数は何人くらい? |
GM | 「かなり大勢だな。ミュージカルのように構成があって、入れ代わり立ち代わりで踊る」 |
ルチル | なるほど、ミュージカルね…それではおひねりを投げてあげよう(笑) |
GM | この前、オリンピックの開会式でやってたようなのを想像してね(※時事ネタでした)…「最終日でなかなか見物人も多くなるから、これはとても光栄な役目なのだぞ」 |
ロビーナ | それはそれは…でもそんな大事な役目を、私のような半分ごろつきまがいの人間にやらせていいのかな。 |
ギュゲス | 半分で済むのか?(笑) |
ロビーナ | せめて半分くらい(笑) |
GM | 「いやいや、君のその軽やかな動作を見込んで頼むのだ。大丈夫、一人で踊る訳ではなくて他にも一緒に踊る人が何人もいる」…それをやると、ラーダ神殿の後輩の女の子たちから「ロビーナ先輩〜♪」と熱ーい視線が来るよ(笑) |
ロビーナ | (呆れて)いや…そりゃ別にいいんだけど。 |
ルイ | ほとんど百合の世界だ(笑) |
ギュゲス | 来るのは女の視線だけじゃないと思うんだが… |
ロビーナ | も、もう空中からの声は無視して話を進めよう! |
GM | …という訳でロビーナちゃんは祭りの三日目の朝、打合せのため顔出しをするんだ。広場の近くに実行委員のテントが張ってある。 |
ルチル | かっこいいー!(笑) |
ロビーナ | 前のシナリオの時、ロビーナは祭りの準備でしばらく神殿にカンヅメになってたっていう話が出てきたけど…あれが多分、踊りの練習だったんだね。 |
GM | 何ならダンサー技能つけてもいいよ(笑) |
ロビーナ | 別に結構です。いりません。 |
GM | せっかく特訓したんだからそれくらいあげるけど。 |
ルイ | 血を吐くような特訓! |
ルチル | コーチ、私負けません!…ああっトゥシューズにガビョウがーっ!ていう世界(一同爆笑) |
ロビーナ | お約束なギャグを…さて、では三日目の朝。 |
GM | 行ってみると…実行委員は神殿のお偉方とか金持ちの商人とかが努めてるんだけど、何やら皆さんおろおろしている。 |
ロビーナ | ん、どうしたのかな?すたすたと近づく。 |
GM | 「おおロビーナか、大変なんだ。この日の為に踊り子をたくさん招いていたのは知っているだろう?」 |
ロビーナ | ええ、そりゃもう。 |
GM | 「その中で、特に美人で知られている二人が行方不明になってしまったのだ」…おろおろ。 |
ロビーナ | 二人。どういう人なのかな? |
GM | 「双子の姉妹でだな。褐色の肌をした、なんかこうエキゾチックな旅芸人なのだ」 |
ルチル | ミネアとマーニャだ(笑) |
ギュゲス | 誰かカジノに捜しに行け!(笑) |
ロビーナ | その二人が行方不明? |
GM | 「大変な事になった。どこかで見掛けなかったか」 |
ロビーナ | いや、ぜんぜん。 |
GM | 「どうしよう、あの二人がいないと踊りがあああ…(泣)」 |
ロビーナ | 泣くことないでしょ。 |
GM | 「あの二人の評判を聞いて来てくださっている人もたくさんいるんだぞ、一体どうしてくれるー!」 |
ロビーナ | 見つけりゃいいじゃないですか(笑) |
GM | 「お前も手伝え!ああー、どうするんだ」 |
ルイ | (ぼそっと)ロビーナが変装する。 |
ロビーナ | 違うでしょ。この場にいない人は発言しなくていいの(笑) |
アル | でも行方不明になったのは二人だから、ロビーナだけじゃ数が合わないよ。 |
GM | 「双子の姉が踊り子で、妹が楽士なのだ」 |
ロビーナ &ルチル | 妹は占い師かと思った(笑) |
GM | 楽士っていうのは一般技能で、冒険者技能のバードとはちょっと違うんだけど… |
ルチル | つまり呪歌は使えなくて、楽器演奏だけできるんだね。 |
ロビーナ | もうちょっと詳しい話はないんですか? |
GM | 「どうしよう。しくしく」 |
ロビーナ | いや、あんたそりゃ泣いてないで。 |
GM | 「何でも、夕べから宿に帰っていないらしいんだ…ロビーナ、君は確か冒険者でもあったな!」 |
ロビーナ | 冒険者と書いてゴロツキとルビを振る(笑) |
GM | 「何でもいいから、手掛かりを見つけたらよこせ」 |
ロビーナ | それはいいけど…冒険者を動かすのなら、まず金がないと。 |
ギュゲス | 正論だな。 |
ルイ | チャ・ザの司祭のような奴(笑) |
GM | 「金か…あくまで成功報酬だからな。美人で知られた娘なんだぞ、万が一顔に傷でもついてみろ。払ってなんかやらんからな!」 |
ロビーナ | そりゃあこっちの責任じゃないでしょ!(笑)まぁ俺一人だったら神殿のために御奉仕しても別にいいけど、仲間の連中は見返りがないとちょっと無理だよ。 |
GM | 「成功の度合いにもよるが…一人7、800ガメルくらいは出せるとは思うぞ」…これは実行委員の予算から下りるだろうかとソロバンをはじいている。 |
ロビーナ | それはなかなかの物だ。じゃあまた後で話を聞きに来るかもしれないけど、とりあえず仲間に相談してみますね…と言ってその場を立ち去る。 |
GM | 「とにかく頼むぞ。それと、騒ぎになると困る。あまりその話は他に言いふらさんでくれ」 |
ロビーナ | ああ、はいわかりました。…では宿に戻って来る。 |
チャイ | チャイはこの時、寝不足で目を真っ赤にしてたんだったっけ。 |
ルチル | ギュゲスはここにいないんだね。 |
ギュゲス | 樹の上で居眠りしそうになるたび、ペリドットにごつんと頭をどつかれている(笑) |
ロビーナ | という訳で、かくかくしかじか…と説明する。 |
ルチル | で、その姉妹を捜さなきゃいけないんだね。 |
ロビーナ | そういう事。見つかったら報酬ももらえるから張り切るように。 |
GM | もし見つからなかったら、ロビーナちゃんも踊る機会がなくなってだな… |
ルチル | そうだ、おひねりを投げられなくなるじゃないか! |
GM | 女の子にもてないぞ! |
ルチル | そうだぁー! |
ロビーナ | いや、だからそれは別にいいってば(笑) |
ルチル | まずは二人が泊まっていたという宿に行ってみませんか。大丈夫、もし見つからなかったらロビーナとルイを変装させて代わりに踊らせればいい。 |
ルイ | ディスガイズやシェイプ・チェンジという手もあるんだけど(笑) |
ルチル | あるけど、私は使わない(笑) |
GM | あ、ちなみにルイは代表に選ばれなかったからね。 |
アル | まぁ当然だな。 |
GM | だいたい、チャ・ザの踊りだから軽やかに踊らなければいけないんだ。ルイは敏捷度から言って、ちょっと軽やかには程遠いような気がするぞ。 |
ルチル | 私、てっきりチャ・ザの神官は金でもばらまきながら踊るのかと思った(笑) |
GM | ラーダの神官は複雑なテクニックでかっこよく踊るんだ。 |
ギュゲス | ファリスの場合は2、30人が固まってザッ、ザッと一糸乱れぬ行進(笑) |
ルチル | スクエアダンスだ。 |
ロビーナ | それじゃナチスだよ(笑) |
とりあえず、姉妹が逗留していた宿屋と実行本部の方にそれぞれ聞き込みにいってみる事にして分担を決める。 | |
ロビーナ | それじゃ…お宿の方はチャイとルチルとルイ、本部はロビーナとアルだね。あっいけない、朝のお祈りを忘れてた(ダイスを振る) |
ルイ | ああそうだ、こっちもやっとこう(ダイスを振る…出目は1ゾロ) |
ルチル | ルイ、素晴らしい!神様に見離されとるぞお前。 |
アル | よかったじゃないか、神様から経験点がもらえたぞ(笑) |
ルチル | もともとルイってラックがないからねぇ。 |
ルイ | しくしく。 |
ギュゲス | アンラックという呪文はないのか?(笑) |
ロビーナ | ダイス目が1・2だった場合も1ゾロ扱いになって10点もらえるとか。 |
ルチル | それいいなぁ(←何が?) |
GM | じゃ、本部の方から先に解決しよう。行ってみると皆さん相変わらずおろおろしている。 |
ロビーナ | とりあえず消えた二人のお名前を聞いてみよう。 |
GM | 「姉がダラス、妹がドリスだ」 |
ロビーナ | 妹さんは、何の楽器を使う人なのかな。 |
GM | 「竪琴だ。何でも親の形見らしくて、それはそれは上等なものなのだ」 |
ロビーナ | で、昨日は宿屋に戻って来なかったのか。 |
GM | 「その宿屋から夕方頃出かけてそれっきりなんだ」 |
ロビーナ | どこに出かけたのかわかってないんですか? |
GM | 「うーむ、何やら『手紙が来た』とか言ってたが…とは言え、ファンレターなら毎日のように届いて来るしな」 |
ロビーナ | 有名な踊り子という事は、どこか街の中で見掛けた人がいたらここに連絡が来るはずだよな。他に二人の様子で特に変わった所は? |
GM | 「おお、そう言えば目付きの怪しい男が二人の後をこっそりつけていたんだ!」 |
ルチル | 追っかけだよ、それ(笑) |
ギュゲス | 捕まえて身ぐるみはいでみると、「会員・0001」と会員証を持っている(笑) |
アル | 甘い、0001なんて若いナンバーを持っている者がそんな怪しい行動を取るものか! |
ロビーナ | 陰ながら二人をお守りしてるとか…(笑) |
GM | 「見るからに怪しい男なのだ。今時コートを着て、フードを目深にかぶっているのだよ」 |
ロビーナ | 今の季節じゃ珍しくもないよ。 |
GM | 「それにしてもはっきり妙だとわかるくらい着込んでいたぞ。こう、マスクまでかけて…」 |
ルチル | 実はダラスちゃん人形とかブロマイドとか持っているんだ(笑) |
ロビーナ | 二人はその男に気付いている様子だったのかな? |
GM | 「変な人がうろついてると言って困っていたようだ」…その時、たったったっと神殿の使い走りがやって来て「また情報が入ったぞー!」と叫ぶ。 |
ロビーナ | はい。聞こう。 |
GM | 「行方不明になった日の夕方、街はずれの方で二人を見掛けたという情報があったんだ」 |
ロビーナ | はずれって、地図を描くとどの辺なのかな。 |
GM | どの辺だろう…タイデルで一番さびれてるのは街のどっち側なのかな。 |
ルチル | それは南の方でしょ。何せタラントに続いてる方だもの。 |
GM | じゃ、そっちの方だね。 |
ロビーナ | 見掛けたっていうのはどういう風に? |
GM | 「二人で歩いているのをちらっと見たそうだ」 |
ロビーナ | その時、何か変わった様子はなかったのか? |
GM | 「さぁ…少しすれちがっただけで、よくわからなかったらしい。何分その時はこんな事になるとは思わなかったから、あまり気にとめなかったという」 |
ロビーナ | 昨日の夕方というと、ちょうど宿からいなくなった頃か…わかった。他には何かないかな? |
GM | 「これといって特に」 |
ロビーナ | そうか、じゃあ帰ろうか。 |
さて、こちらは宿に向かったルチル達。 | |
ルチル | そういえば、さっき宿屋の場所って聞いて来たんだっけ?(笑) |
GM | 大丈夫、有名な姉妹だから泊まってる宿くらい誰でも知ってるよ。行ってみると宿屋の主人がまたもおろおろしている。 |
アル | この街にはおろおろしてる人間しかいないのか! |
ルチル | かくかくしかじかで捜査を依頼された者です、という事情を説明して…二人の使っていた部屋を見せてもらえる? |
GM | 「そういう事なら仕方ないでしょう」と立ち会ってくれる。 |
ルチル | 何か部屋にあやしい物とかないかな?さあチャイ調べろー。 |
…と 言う訳でこの続きは本誌でどうぞ。 |
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