CatsPanicシリーズ |
vol. 10 最後に笑う男(上巻)
TRA.が発行しているSWORD WORLDリプレイ本、「CatsPanicシリーズ」vol. 10 最後に笑う男(上巻)の冒頭部分です。
一同 | それでは始めー。 |
---|---|
アルテア | (鶴見君に)ねえ、キャラのお名前決めてよ(笑) |
GM | とりあえず彼の出番はもう少し先になる。という事で、それ以外の人は生活費一ヵ月分減らしてね。 |
ルチル | うきゃー!これじゃペリドットさばいて売らなきゃ。別にいいのよ、何羽でも呼べるから(笑) |
ロビーナ | ひどい。それがソーサラーの言うセリフ?(笑) |
GM | で、まあ…何せお祭りの後です。あんたらに仕事する気なんかが起きるわけがない。日がな寝てます。遊んでます。 |
ルイ | 所持金、残り50ガメル!こりゃ下働きのバイトでもしなきゃ。 |
ロビーナ | この前覚えたばっかりの歌で稼げばいいのに。 |
ルイ | みんなお金くれないんだよー。ちっ、しけてやがる(泣笑) |
GM | そう、この前の祭りで派手に出資したばかりだから、誰も金なんか払うわけがないんだ。 |
ロビーナ | なるほど。あ、ところでやりたい事があるんだけど、間に一ヵ月あるんだったらやっていいかな? |
GM | いいよ。 |
ロビーナは前回のシナリオで拾っておいた竪琴と髪飾りを直すため、旅芸人の姉妹につきそってベルダインへ。チャイもそれについて行く。 | |
ロビーナ | で、一ヵ月経ったよ。 |
アルテア &ルチル | やぁお帰りなさい。 |
ロビーナ | ただいま。勝手知ったるタイデルの街。 |
ルイ | おみやげはー? |
ロビーナ | ねえってば。 |
ルイ | ケチ。 |
ロビーナ | ケチだもん(笑) |
ルチル | 一ヵ月経ったっていう事は、もう11月くらいになってるんだよね。 |
アルテア | 寒いー。 |
GM | メンバー全員、宿にいるのかな?時間はお昼前くらいなんだけど。 |
アルテア &ルチル | 多分、みんなお昼ご飯食べにふらふら集まってきた所だろうな。 |
ルイ | 俺もバイトが昼休みになったから宿に行こうっと。 |
GM | ちなみにギュゲスは旅行中だ。 |
アルテア | 旅行? |
ロビーナ | あいつが? |
GM | 何やらふっといなくなった。姿が見えない。 |
ルイ | 例によって例のごとく、ですね。 |
ルチル | ああ、風のようにやって来て風のように去っていく。まるでスナドリネコさんのように(笑) |
ロビーナ | そうか、じゃあ奴に会うことももうないな(笑)…そうすると、ギュゲス以外の連中がここにいるんだね。 |
GM | うん。で…実は、祭りが終わった後でボンドの墓参りに行こうという話があったのだが、ロビーナとチャイが旅行に出ていたので立ち消えになってしまってたのだ。 |
ロビーナ | あ、悪い。 |
チャイ | そんならこれから行こうか。チャイはさかだる5こくらいかってボンドのおはかにそなえよう。 |
ルチル | どうせ行くなら、ご飯食べてからにしない?そうだ、お弁当持っていこう!(笑) |
ロビーナ | 墓で食うの?…ま、いいけどね。 |
アルテア | 行ってらっしゃーい。 |
ロビーナ | アルテア、行かないのか? |
アルテア | んー、なんか知らないうちに死んでたから…お花代くらいは渡しとくよ。 |
ルチル | そう、あんまりアルテアとボンドってつき合いがなかったもんね。 |
ルイ | ルイもつき合いはないけど、とりあえずちょっと興味があるので行ってみよう。 |
ルチル | 前世の記憶がー!(笑) |
ロビーナ | (ルイに)お前によく似たドワーフがいてねえ。 |
GM | うん、やっぱり同じように赤貧だったんだ(笑) |
チャイはあれこれやった末、おそなえのために30リットル入りの酒樽を150ガメルで買った。 | |
ロビーナ | じゃあ行こうか。 |
GM | しかし、どんなに金があろうと一番安いエールしか買わないっていう所がこのパーティらしいよな(笑) |
ロビーナ | いいじゃないか、あいつが好きだったんだから。 |
ルチル | いや別に好きだった訳じゃなくて、貧しかったからワインが飲めなかったんだ。 |
ルイ | 違う、エールが好きだったんだー!これは亡霊の声(笑) |
ロビーナ | で、お墓に着いていいのかな? |
GM | いいよ。前に来た時とあんまり様子は変わってないね。しいて言うと、昼間なのに警備のドワーフが二・三人ついてるくらいだな。 |
ロビーナ | あ、お墓って警備がついてるんだ。 |
GM | 前に来た時はいなかったんだけどね。で、何の用で来たのかをいちおう聞かれる。 |
ロビーナ | という訳で事情を説明するね。 |
チャイ | おはかまいりー。 |
GM | うん、入れてもらえるよ。ここは街の共同墓場じゃなくて、ドワーフ専用のお墓なんだ。 |
ルチル | ああ、ドワーフしか入ってないのね。 |
GM | そう。規模も小さいしね。で、警備の連中が言うには「最近、街道をオーファンに行った方面で墓荒らしが相次いでいるんだ」 |
ロビーナ | それでここも警備してるってわけか。 |
GM | 「うむ。ま、犯人はまだ見つかってないんだがな」…ということで、墓地に入れたけど。 |
ロビーナ | お祈りしよう。 |
チャイ | チャイはたからもののセミのぬけがらとヘビのぬけがらおそなえするのー。そのへんのお花たくさんつんで、おはかにかける。 |
GM | あと何かやることある? |
ルチル | お弁当食べてない(一同笑) |
GM | ボンドの墓石にでも座って食うつもりか!(笑)完全にピクニック気分だな。 |
ロビーナ | 死者を冒涜してるぞ。 |
こうしてお墓参りを済ませて宿に帰って来たのは夕方だった。そのうちご飯時になり、一同が酒場で夕ご飯を食べていると… | |
GM | そこへなんとアルがやって来るんだなー。 |
ロビーナ | アルか…。 |
GM | (ロビーナに)その露骨に嫌そうな顔は何?(笑) |
ロビーナ | えっ、そんな顔してたか?(笑)そういうつもりはないんだけど。 |
アルテア | どなたですか? |
GM | そうか、アルテアとアルは会ったことがないんだっけな。 |
ルチル | この人が噂のインチキ騎士なんです(笑) |
GM | で、何かというとだな…実は、なんと!(急に声を落として)奴が、騎士叙勲を受けてしまったんだ。 |
ロビーナ | どこで!? |
ルチル | どこの物好き領主がそんなすごいことを!! |
アルテア | それがそんなにすごい事なのか。 |
ロビーナ | 実はすごい。 |
GM& ルチル | 本人を見てればわかる(笑) |
ルチル | で、それはすごいじゃないかって話になるよね。「すごい」ていうのは、素晴らしいっていう意味じゃなくて大変だっていう意味だからね。 |
ロビーナ | お前が騎士ねえ…(ため息) |
チャイ | なんかみんなひどいことを言ってるよ(笑) |
GM | 何のことはない。奴は単に、自慢話がしたくてここにやって来たんだな。 |
ルチル | (頭を抱える)ああーっ! |
ロビーナ | まあ、いいけどね(笑) |
チャイ | チャイはおもしろがってきいてる。 |
ロビーナ | で、いったい何の因果でそんな事になったんだよ? |
GM | (アルのプレイヤーの口調を真似て)「いやー、大臣に抜擢されてしまってな。やはり騎士たる者は人間からして違う…」(笑) |
ロビーナ | (遮って)だからどこの大臣だっつうの、それ。 |
ルチル | どこのお国にお仕えするの? |
GM | (ここ、という仕草で地面を指差す) |
一同、しばし沈黙。 | |
ルチル | …終わりだ。 |
ロビーナ | 世も末だな。 |
ルイ | 宿、換えよっか(笑) |
ルチル | もう国外脱出するしかない(笑) |
GM | 早めにこの国出た方がいいかも知れない(笑) |
アルテア | アルテアは真に受けて、荷作りを始めようとする。 |
ルチル | 冗談だ、冗談。 |
GM | アルを騎士に抜擢したのはね…タイデルに住んでる人、冒険者レベルと知力で振ってみて。 |
ルチル | あたしだけなのか(ダイスを振る)12。 |
GM | それなら知ってるな。アルを抜擢したのはタイデルの王城の大臣で、一番のタカ派のロキという奴だ。 |
ロビーナ | 名前からして…(笑) |
チャイ | あやしい。 |
アルテア | タカ派ってなあに? |
GM | タカ派っていうのはね、夜になるとタカに変身して飛んでいってしまう獣人の一種なのだ(←大嘘) |
ロビーナ | 夜に飛ぶのは夜鷹だろ。 |
チャイ | そ、それはちがういみになっちゃう(笑) |
ロビーナ | 何でそう、わざわざあぶない方向に解釈するんだ!…まあいい、自慢でも何でも聞いてやるよ。 |
GM | 彼はえんえんと自慢した後に…「実はこれから、少し長めの旅に出なければならないのだ」 |
ロビーナ | 死出の旅?(笑) |
ルイ | いや、左遷だ左遷(笑) |
アルテア | (楽しそうに)しまながしー。 |
GM | 「違う、左遷というわけではなーい!オーファン行きの使節団の警備に当たらされるのだ」 |
ルチル | ほーう。オーファンと聞いて、頭の中に墓荒らしの話が浮かぶ。 |
GM | 奴はいちおう声をひそめると、こう手招きをして「実はここだけの話なのだが」と言って話し出すんだ。 |
ロビーナ | お前、そう言ってあちこちでしゃべってるんだろ。 |
GM | そう、アルがそうしないわけがない!(笑)で…「これは二週間以上前の話なのだがな。オーファンからここタイデルにやって来た、ある使節団が…」 |
ルチル | 死んじゃったの?(笑) |
ロビーナ | 勝手に殺すなよ(苦笑) |
GM | 「な、何故わかった!?貴様、知ってたのか!」 |
ロビーナ | …え? |
ルチル | まじ? |
GM | 「さては犯人!?」といきりたってしまう。 |
ロビーナ | まあまあ、どうどうどう(馬扱いするなよ…) |
チャイ& ルチル | で? |
GM | 「詳しいことは私もよく知らないのだが」とか言いつつ、細かく話してくれる。「いや、ひどい話でな。その使節団がタイデル・オーファンの国境付近で…なんとタイデル兵に襲われて刺殺されてしまったというんだ」 |
ロビーナ | それってもしかしてやばいんじゃないのか? |
チャイ | すごくやばいぞ。 |
GM | 「それはそうだ。軍国オーファンを相手にこんなことをするなど、まったく話にもならん」 |
チャイ& ルチル | どうするんだ。 |
ロビーナ | …やっぱりこの国出るしかないな(笑) |
アルテア | 夜逃げだー。 |
GM | 「まあ、向こうもリジャール王がいまだ健在で、今の所は牽制をかけてきてるだけなのだがな。しかしいくら何でもそんな事はありえないし…そもそも、オーファン沿いの国境にはタイデルの兵士などほとんどいないのだ」 |
アルテア | ところでリジャールって誰? |
チャイ | オーファンの王さま。 |
GM | 「竜殺し」の10レベルファイターだ。「…そんなわけで、これは何かの間違いではないかと思われるのだ。だからアルバス陛下もオーファンへ使節団を送って事態の修復を図っているのだが、これが難航しているんだな」 |
ロビーナ &ルチル | だろうね。 |
GM | 「で、そのタイデルの使節団が、血気にはやったオーファン兵に襲われたりしてはたまらんという事で…警備のためにこの強い私が選ばれたのだ!」 |
ロビーナ | (ぼそっと)おめでとう。 |
GM | 彼はそのまま再び自分の世界にはまって行く(笑) |
ルチル | あれだな、仮に死んでも構わないような奴を適当に見つくろって… |
ルイ | 弾よけにするんだ(笑) |
…と 言う訳でこの続きは本誌でどうぞ。 |
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